大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)4904 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人佐々木秀雄の上告趣意第一点について。

小麦粉の価格統制が昭和二七年六月一日以降廃止されたことは所論のとおりであ

るが、物価統制令三条違反の行為があつた後に、価格等の統制額を指定した告示が

廃止されても、犯罪後の法令により刑の廃止があつたと云えないことは、所論のと

おり当裁判所の判例(昭和二三年(れ)八〇〇号、同二五年一〇月一一日大法廷判

決)とするところであつて、これを変更すべきものとは認められない。また憲法三

九条前段に「既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない」とい

うのは、所論のように行為時の法令によれば有罪であつたものが、裁判時の法令に

従えば無罪である行為につき刑事上の責任を問われないという趣旨を含むものでな

いことも、当裁判所の判例(昭和二三年(れ)一九六一号同二六年五月三〇日大法

廷判決、集五巻六号一二〇五頁参照)とするところであるから、論旨は採用するこ

とができない。

同第二点について。

所論は量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

なお記録を精査しても本件につき刑訴四一一条を適用すべき事由も認められない。

よつて刑訴四〇八条により主文のとおり判決する。

この判決は論旨第一点に対する裁判官井上登、同小林俊三の少数意見を除く外、

裁判官一致の意見によるものである。

裁判官井上登、同小林俊三の意見は、被告人の第一審判決判示の小麦粉の統制額

超過販売の所為は、其の後昭和二七年六月一日小麦粉の価格統制が廃止され処罰さ

れないこととなつた結果、犯行後にいわゆる刑の廃止があつた場合に当ると解すべ

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きであるというのである(なお、昭和二三年(れ)八〇〇号、同二五年一〇月一一

日大法廷判決中、裁判官井上登の反対意見参照)。

昭和二九年二月二三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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